2012年10月15日月曜日

星の子タロちゃん物語13・ママのオマジナイ

「タロちゃん!幼稚園に着いたわよ。」

「・・・・・」

「アレ?どうしたのタロちゃん?」

「ママ、幼稚園に行かなきゃダメ?給食食べても、全部吐いちゃうよ。」

「ママが、担任の先生にタロちゃんのこと話してあるから、大丈夫よ。だから無理して全部食べなくていいからね。それから吐いちゃうことも、先生も知ってるから安心して吐いていいからね。」

「・・・・・」

困ったママが、ふと足元を見るとアップルミントがありました。いい考えが浮かびました。アップルミントを一つ摘まんでタロちゃんの手のひらに乗せました。

「タロちゃん、これからママがオマジナイしてあげる。幼稚園でイヤなことが起こりませんように!いいことが起きますように!いいこと、楽しいこと、たくさん起きろ!さあタロちゃん、手のひらをギュッと握って、30数えて!」

「イチッ、ニッ、サンッ」

タロちゃんがリズミカルに数え出しました。するとだんだん声も大きくなりました。

「サンジュウッ。オシマイ!」

タロちゃんは元気よく幼稚園の門をくぐって行きました。

 

お風呂に入っている時、ママが

「ママのオマジナイ、タロちゃんの中にまだ入ってる?」

と、聞きました。タロちゃんは、手のひらのミントの香りを確かめたりして、

「ママのオマジナイね、まだ足の先まで入ってるよ!」

「そうでしょ、ママのオマジナイは、薬より効くんだから。」

今ではママの車から降りると、必ずオマジナイをやってから門をくぐるのが日課となりました。そればかりか30じゃ物足りなくなって100まで数えるようになりました。

おかげで、給食で吐くこともなくなりました。以前のように元気よく幼稚園に通ってます。

子どもの成長って2歩進んで1歩下がりながら成長していくんですねえ。

タロちゃんの心は、「明日も晴れ!!」です。

 

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