2013年10月16日水曜日

人災は忘れた頃にやってくる?

台風26号も大きな災害を起こした。その多くは人災が要因となっているように思える。

私は山が好きで、学生時代は毎年100日以上山に登っていた。だから山の斜面は、崩れるのが当たり前と思っている。道路脇の斜面を、ガケ崩れ予防と称してコンクリートを塗ってあるのを見ると哀しくなる。こんなのでガケ崩れを防げるハズはないのに。人間の自己満足に過ぎないのに。

もう一度繰り返す。山(斜面)は崩れるものなのである。

たまに海に行く。岸壁の脇に人が住んでいるのを見ると、「海の水が増えて水害に遭わないのかなあ。大丈夫かなあ。」と思っていた。なぜなら江戸川のそばで育った私は、川の水が増えたり減ったりするのが当たり前だった。海を見ても同じ思いだった。そこへあの大津波である。「やはり」と思った。

もう一度繰り返す。海も川も、水は増えたり減ったりするものなのである。

テレビのニュースを見た。強風雨をついて出勤していた。ある女性は、ハイヒールを履き、安物のビニール傘姿だった。ビニール傘はたちまち壊れ、飛ばされた。強風は女性をも飛ばした。ハイヒールでは持ちこたえられなかった。強風は人間を飛ばし、巨木をなぎ倒し、車や家をも破壊する。また強雨は肌に激痛を起こす。気象条件に見合った格好をするのが当たり前なのである。ハイヒールとビニール傘で台風に立ち向かうなんて、自然を侮るなかれ!

もう一度繰り返す。風雨は恐ろしい破壊力を持っているのである。

ここらで自然を甘く見るのはやめようと思う。自然を見下すのはやめようと思う。

伊豆大島の町長が避難勧告をしなかったことを合理化していた。曰く、夜中の避難勧告は無理というのである。バカか!台風26号が伊豆大島近辺を通過するのは、数日前から分かっていたことである。また10年に一度ほどの強烈な台風であること、予想雨量も前日にはわかっていた。どうして最悪の事態を想像できなかったのか!そして15日の午後5時までに避難勧告していれば、これほどの惨事にはならなかったろうに。そんなことも想像できないなんて、町民が可哀想。

町民の一人はインタビューで、「避難勧告がなかったから」と町を非難していた。そうじゃないと思う。台風情報と自分が住んでいる環境とを照らし合わせて判断すべきと思う。私を含めてみんな指示待ち人間になってしまっているだ。サッサと避難して、何事もなければ万々歳。家が潰されたとしても、命が助かれば、バンザイなのだから。

もう一度繰り返す。自然のパワーは巨大なのだ。だから指示待ちはやめて、最悪の事態を想像して行動しようと思う。

鉄の船が水に浮くのも、無理がある。だから時には沈没する。飛行機が空を飛ぶのも無理がある。だから時には墜落する。地べたに這いつくばって生きている人間が、地上高い建築物を作って生活するのも、無理がある。地べたは動くものだし、噴火するものなのだから、地べたの生活をするのが自然なのだと思う。

最近の自然災害は、「人間よ、もっと慎ましく生きよ!今まで通りで生きようと思うな。今まで通りでない生き方をしろ!」と言ってるように思える。

天災は忘れる前にやって来るが、人災は忘れた頃にやってくる!

被害に遭われた方に、心からお見舞い申し上げます。

 

1 件のコメント:

  1. まったく同感です 人間よ、驕りたかぶるなかれです
    どうあがいても自然の力には到底及ばない
    畏敬の念を持って自然に寄り添っていかなければ思い知らされます
    自分の限界を見極め自然と共存していきたいものです



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