2014年2月6日木曜日

130才物語 5 頭が高い!腰が高い!

冷えますなあ。さすがの私も、130才にもなると寒さが柱に沁みますなあ。そこにこの雪なもんですから、オー、サブ!

そうそう前回の続きでしたっけ。

レストラン山歩が開業しました。シェフの妙子さんは、8年間の調理修業があるし、娘の久美さんもホテル業務で接客が慣れてるしで、仕事はスムーズだったね。二人の足を引っ張ってたのが健夫さんだったね。

なにしろ30年以上教員だったから、親や生徒に頭を下げさせるのは得意だけど、自分が頭を下げるのは苦手だったね。今だに頭が高いね。それと上目線だね。大事なお客様にも上目線で話してたなあ。話しているうちに、すっかり教員に戻ってたねえ。私はその度にハラハラしてたよ。

お客様に、

「御主人も、ようやく板についてきたね。」

と、ほめられる(?)ようになった時は、開業3年目だったね。それにしても健夫さんは、自分がいかに上目線で生きてきたかを思い知ったようだね。教員になった頃から上目線に気付いていたら、少しはマシな先生になってただろうにって思うな。オーイ健夫さん!隠れるなよ。なに?自分が恥ずかしいって?ま、いいから聞きな。アンタは、今でも頭と腰が高いから気をつけるんだぞ!なに?これ以上頭と腰を低くしたら、頸椎と背骨を痛くするだって?バーカ、そんなことを言ってるんじゃないの。気持ちのありようを言ってるの!今井家代々の中でも、あんたが一番だよ、馬鹿さで。なに?馬鹿さじゃなくて若さでだろって?付き合いきれないよ、もう。

みんなの足を引っ張ってるのは、態度の他にもあるよ。

それは周りが見えないことだね。皿を洗ってると、妙子さんや娘さんがどんなに忙しくても、知らん顔なんだね。皿洗いを中断して、料理を運ぶのを手伝うとかすればいいのに、ちっとも気づかずに皿洗いに熱中してるんだから、救い難いバカだね。妙子さんも呟いていたよ。「うちの人って、こんなにも周りが見えないとは。蹴とばしたいくらいだわ。」ってね。それでホントに蹴とばしたのかって?蹴飛ばさなかったね、優しいんだね妙子さんは。

この4月で開業7年目に入るけど、張り合いのある6年間だったね。多くの人に使ってもらえてるから、130才の私も若返ったみたい。健夫さん!あんたは裏方が仕事、いわば黒子なんだけど、時にはお客様に姿を見せるんだから、ちゃんとしててよ。(ハイ、ちゃんとしますデス。)

130才物語は、ひとまず終わります。130才の母屋(山歩)も息子、孫の代まで繋がりました。200才までは続きそうです。

 

1 件のコメント:

  1. もう7年目に入るのですか~
    皆さんのお人柄で山歩人気は上がる一方・・・
    もちろんおいしいお料理があってこそですが。

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