2015年8月12日水曜日

父が植えた柿の木

夕方4時ともなると、だいぶ凌ぎやすくなる。
よし、畑の草刈りだ。例によって芝刈り機で草を刈る。1時間余りで刈り終わった。


       

草刈りしながら、
「ああ、この柿の木は父が植えたんだっけなあ。いわば父の形見だなあ。」
と、しきりに父のことを考えた。
父は寡黙の人だった。3年間も関東軍の兵士として軍務についていたのに、軍のこと、戦争のことは一切話さなかった。父の友人たちが大声で軍歌を歌っていても、父は軍歌は歌わなかった。無事帰国して、父は結婚し、昭和20年1月に私が生まれた。その年の6月、父は再び召集され新潟の新津で終戦を迎えた。8月15日、戦争が終わったと知った父は、鉄砲を川に投げ捨て、勝手に帰宅してしまった。後に呼び出されて、こっぴどく叱られたらしい。軍隊と戦争が大キライだったのだろう。
戦後サラリーマン生活に戻った父のことを、母はあまり良く言わなかった。だから子どもの私は、母のイメージの父を作ってしまった。今になって、
「私の父親像は、母のイメージで作られたものだったんだ。もっと違う父親があるはずだ。」と考えるようになった。
・・・オヤジ、オレ、この歳になってようやくオヤジの良さが分かってきたよ!ゴメンな、ずーっと誤解していて・・・父の位牌に詫びている・・・遅いけど・・・(510話)


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