2012年11月14日水曜日

星の子タロちゃん物語14・まぼろしのお手伝い

「ただいまーッ」

「アッ、ママだ!お帰りなさい。」

「ネエ、ママ。これ見て!」

「タロちゃん、今日もお弁当ぜーんぶ食べてくれたんだ。ママ、嬉しいわ。」

「だってママのお弁当は美味しいんだもん!」

「タロちゃんのママでよかった。ところでタロちゃん、お願いがあるんだけど聞いてくれる?」

「ウン、な〜にママ。」

「あのね、夕ご飯のあと、食器を洗ってくれると、ママとっても助かるんだけど、やってくれるかなあ?」

「ウンいいよ。」

その日の夕食後、タロちゃんはお祖母ちゃんと一緒に食器を洗いました。

「アラ!キレイに洗ってくれたわね、ありがとう。」

「皿を洗うのって楽しいね。」

 

翌日の夕食後でした。

「じゃあ今日もお願いね、タロちゃん!」

ママが手伝ってくれるものと思い込んでたのみました。すると

「今日は、エンリョします!」

と、澄まし顔で言ったのです。

「・・・・・・・!?」

家族みんなは大爆笑です。だって6才の子の使う言葉ではなかったからです。

もちろん、タロちゃんは、ママたちが、なぜ笑ってるのかわかりません。

タロちゃんのお手伝いは、たった一日で終わったのでした。あれだけ楽しげにやってくれてたのに・・・

 

 

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