2013年11月20日水曜日

130才物語 1 生みの親は

山歩のお客様で私(山歩の建物)に興味を示す方がいらっしゃるので、私のことを少し書かせてください。

私を建ててくれた、いわば生みの親は勘左衛門さんです。勘左衛門さんは坂本龍馬と同時代の人なんです。勘左衛門さんは、明治15年(1882年)、80円で私を建ててくれました。屋根は茅葺きで、家の半分は土間なんです。土間は作業場で、縄を編んだり、お茶を作ったりとよく使ってくれました。

私が一番ビックリしたのは関東大震災でした。あまりにすごい揺れなんで、築40年の私は覚悟しましたよ。でも助かりました。リフォームの時に調べたら、北に5センチ傾いていただけなので、設計士さんが私を褒めてくれましたよ。

私が一番嬉しかったのは、13人もの家族が使ってくれたことです。たった3部屋しかないのに、13人が寝るんだから賑やかこの上なしと言ったところですかな。現当主の健夫さんはかわいそうだったね。5〜6歳の健夫さんはすべて後回し、お母さんの千代子さんは13人の炊事・洗濯・野良仕事に追われていたからねえ。とても我が子どころじゃなかったんだね。千代子さんは20歳で嫁に来てよくやったもんだ、エライよ。(つづく)

 

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