右の柱には、諸佛(仏)の文字が見える。
左の柱には、諸天神の文字が見える。
菩提寺の副住職に尋ねてみた。
「聞きますが、右には佛(仏)の字、右には天の字が書かれてるけど、もしかして仏も神も祀っているの?」
「そうなんです。よく気がつきましたね。長谷寺は、今も神仏混合なんです。明治政府から神仏分離令が出され、長谷寺も弾圧を受けたのですが、なんとか神仏混合の伝統を守れたんです。」
そういえば、江戸時代までは、お寺も神社も同じ敷地の中で共存していたんだっけ。
翌日、旅の最終日。静岡の久能山東照宮を見学した時のことである。
本殿の奥にある徳川家康の墓を見て、ビックリ。案内の宮司さんに聞いた。
「この家康公のお墓の形は、仏教の仏舎利塔じゃないですか?」
「その通りです。江戸時代は、この東照宮はお坊さんが運営していたんです。当時は神仏習合だから、珍しいことではなく、当たり前のことだったんです。」
今回の旅で、日本人の資質の素晴らしさを感じた。
それは、全てのものに神が宿るという思想である。そして日本人は、自分も自然の一部だから、自然対人間とは考えなかった。「自然」という言葉は、西洋の言葉の翻訳語らしい。それほど日本人は自然の一部として慎ましく生きてきた。その思想の具体化が神社だと思う。ずっと後の世に、仏教が伝来した。いつしか仏教も日本化し、神社とお寺が一つになってしまった。平和共存的関係である。他国で見られる殺し合うような宗教対立はない。
日本人は、平和共存が似合ってる。戦争は似合わない ‼︎
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