2014年10月10日金曜日

タケじいの昔話 3 カモメ?

タケちゃん先生の話も、そろそろおしまいになるぞ。今日はどんな話をしてくれるのかな?
「さてみんな、不思議話の3番目はな、鳥のカモメの話じゃ。


シベリアの冬は早い。日本で柿が熟す頃は、もう真冬と思っていいんじゃ。その頃、シベリアの猟師は鉄砲じゃなくて鎌を持って湖に行くんじゃよ。湖には、鴨が湖に着水したとたんに凍りついた鴨が、たくさんいるんじゃ。猟師はその鴨を鎌で足を切り取るんじゃ。後には、鴨の足だけ湖に残されるわな。」
生徒は、ふーんそうなんだという顔をして、タケちゃん先生の次の話を待っていたそうな。
「さて春になるじゃろ。暖かな日射しが湖の鴨の足にも降りそそぐわな。すると・・・するとな、不思議や不思議、鴨の足から芽が出てるんじゃ。日に日に芽は大きくなり鳥になったんさ。そして大きく羽ばたいて遠くへ飛び去ったんじゃよ。不思議だねえ!鴨の足から芽が出たから、鴨芽、カモメになったんさ。海にいるあのカモメだよ!」
生徒は大爆笑さ。そして全部がウソと分かると・・・先生のウソつき、先生がウソついていいの?・・・と口々に言うから、タケちゃん先生は続けてこう話したんじゃ。
「キミ達はエライ!よくぞ、先生のウソつきって言えたね。嬉しいなあ、先生は。先生の願いはな、キミ達がウソを見抜ける人になって欲しいんじゃ。これからもウソを言い続けるから、ダマされるなよ!」
生徒は一斉に・・・エーッ!・・・
それからというもの、タケちゃん先生の話を鵜呑みにしない生徒になったそうだ。タケちゃん先生は、
「困ったのは、私が本当のことを話しても、信じてくれないんだよ。辛かったなあ。でもね、生徒は自分で調べて、自分で判断するようになったからいいんじゃよ。」
と言ってたなあ。のちにこのウソ話を女子大生にも話したんだって。そしたらな、全員が信じて、最後のカモメの話で嘘だと分かったんだそうな。
騙されない人になるってのは、今こそ大事じゃなあ。オシマイ。

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